相談データ・分析

高齢者の消費生活相談

2017年12月27日

1.年代別でみた高齢者相談の特徴

高齢になるにつれて、相談割合が高い傾向

 消費生活相談が生じる割合が高い年代は50歳代・70歳代以上。
 20歳代までの若年層は人口に対し契約者としての相談件数の生じる割合が低く、50歳代までは増加傾向にあり、60歳代は若干減少するものの、70歳代、80歳以上も高い割合となっています。

契約者の年代別割合

 

80歳以上は女性の相談が多い

 契約者の性別で見ると、高齢になるほど女性の相談割合が多くなり、おおむね男女の人口割合と一致しています。

契約者性別の割合

60歳代 男性の相談48.7% 女性の相談51.3% 男性人口49.5% 女性人口50.5% 70歳代 男性の相談49.0% 女性の相談51.0% 男性人口46.2% 女性人口53.8% 80歳以上 男性の相談41.9% 女性の相談58.1% 男性人口37.4% 女性人口62.6%

 

60歳代はアクティブシニア 80歳以上は見守りが必要

 80歳以上の高齢者では、4割余りが家族および第三者からの相談となっています。一方で、60歳代はむしろ、契約者本人からの相談の割合が大きくなっています。

高齢者の相談に占める「契約者本人から」と「家族および第三者から」の割合

契約者本人 全体82.1% 60歳代90.8% 70歳代82.5% 80歳以上59.7% 家族および第三者 全体17.9% 60歳代9.2% 70歳代17.5% 80歳以上40.3% 

  高齢になるほど、『訪問販売』及び『電話勧誘販売』の割合が大きくなります。
在宅機会が多い80歳以上では、『訪問販売』及び『電話勧誘販売』の割合が5割を超えており、勧誘のターゲットになっていることがうかがえます。

 高齢者の販売形態別割合

 

 

2.高齢者相談に多い『商品・サービス』や『販売方法・手口』

 契約商品・サービス

順位商品・役務名高齢者の相談が占める割合
1 山林(事例1) 94.0%
2 公社債 91.7%
3 老人ホーム 83.6%
4 81.1%
5 ふとん類(事例5) 63.6%
6 新聞 60.4%
7 ファンド型投資商品(事例3) 60.2%
8 固定電話サービス 60.0%
9 普通生命保険 59.2%
10 工事・建築(事例4) 55.3%
11 他の行政サービス 51.7%
12 有線テレビ放送 50.0%
13 修理サービス 44.3%
14 商品一般 42.8%
15 電気 42.7%

 

販売方法・手口

順位販売方法・手口等高齢者の相談が占める割合
1 原野商法(事例1) 92.3%
2 催眠商法(SF商法)
     (事例2)
89.3%
3 劇場型勧誘(事例3) 89.2%
4 点検商法(事例4) 73.4%
5 テレビショッピング 72.5%
6 ネガティブオプション 62.5%
7 電話勧誘(事例3) 60.9%
8 次々販売(事例4・5) 60.6%
9 代引配達 59.9%
10 家庭訪販(事例4・5) 58.5%
11 かたり商法(身分詐称) 57.1%
12 利殖商法 52.8%
13 問題勧誘 50.7%
14 当選商法 50.0%
15 景品付販売 50.0%
催眠商法(SF商法)とは、締め切った会場等に人を集め日用品等をただ同然で配って雰囲気を盛り上げた後、最終的に高額な商品を売りつける手口。
 劇場型勧誘とは、「代わりに購入すれば高値で買い取る」等と立場の違う複数の事業者が、電話で勧誘することで、架空の契約話を信じこませ、金銭をだまし取る手口。
 家庭訪販とは、事業者が自宅に訪問して勧誘する販売方法。


契約者年代別でみた販売形態の特徴

 

相談事例

(事例1)販売手口1位 原野商法

 30年前に購入した他県の山林に介護施設が建設される事になったので土地を売ってほしいと事業者から電話があった。坪単価10万円ほどで売れると言われた。別事業者からは測量の案内葉書が届いた。信用できるか。

(事例2)販売手口2位 催眠商法(SF商法)

 3か月程前に、母からお金を貸してほしいと頼まれ不審に思い見に行くと、1人暮らしの母宅に、SF商法で購入した未開封の健康食品の箱が大量に置いてあった。今後の契約を止めさせ、残っている健康食品を引き取ってほしい。

(事例3)販売手口3位 劇場型勧誘  7位 電話勧誘

 取引がある銀行を名乗って電話があり、「先月配布したとおり、近隣に大手航空会社の工場建設の予定があるので弊社がその投資を行う予定である。その投資に際して出資枠が不足しているので、あなたの枠を貸してほしい。」と頼まれた。自分は投資する意思はなかったので、「好きにしていい」と答えてしまった。その後航空会社社員を騙る男性から確認の電話が入ったので、これまでの経緯を伝えた。後刻、銀行から電話があり「違法な取引として航空会社からの監査が入る事になった。あなたも名義を貸したのだから責任を取る必要がある。違約金1,000万円の内、いくらなら支払えるか。あなたの家まで現金を受け取りに行く」と言われた。怖くなりそのまま電話を切ったが、今後の対処法を教えてほしい。

(事例4)販売手口4位 点検商法  8位 次々販売  10位 家庭訪販

 突然事業者が訪ねて来て「屋根の診断を無料でする」と言われ了承した。屋根から降りてきた事業者が「傷んでいるところがある。工事した方が良い」と言われ15万円で契約し、翌日屋根の塗装工事をした。
 3日後、再度、事業者が訪ねて来て、外壁が傷んでいると言われ100万円の外壁工事を契約してしまった。明日から足場を組む予定になっているが、高額な契約をしてしまったことを後悔している。

(事例5)販売手口8位 次々販売  10位 家庭訪販

 認知症の母が、これまでも3社の訪問販売業者から布団や除湿マット等を購入していることが分かり、事業者と交渉して一部返金されたことがある。数か月前、また新たな契約をしたようで、「頭金として3万円だけ支払い、残りの20万円は数日後に代行業者が集金に来る」と話している。どうすればよいか。

 

3.高齢者は契約金額が高額に

 高齢者の契約購入金額

 ここ数年、相談全体と高齢者の契約金額の差が縮まってきていましたが、平成28年度は契約金額が増加に転じ、金額差も大きくなりました。
 また、契約者が59歳以下と60歳以上で平均契約金額を比較すると、50万円以上の差になっています。

高齢者と相談全体の平均契約金額の推移

 平成24年度 高齢者(60歳以上)204万円 相談全体145万円 平成25年度 高齢者173万円 相談全体138万円 平成26年度 高齢者133万円 相談全体123万円 平成27年度 高齢者127万円 相談全体121万円 平成28年度 高齢者162万円 相談全体142万円

 

契約者59歳以下・60歳以上の平均契約金額

 契約者59歳以下109万円・60歳以上162万円

 

支払金額で見ると

 実際に1円以上支払った5,589人について見てみると、平均支払額は『123.3万円』。
 年代別に見ると、年代が上がるほど平均支払額も高くなり、80歳以上が突出して高くなっていることが分かります。

契約者年代別の平均支払額

 未成年者8万円 20歳代30万円 30歳代86万円 40歳代59万円 50歳代88万円 60歳代117万円 70歳代161万円 80歳以上301万円 平均支払額123.3万円

 

高齢になるほど現金払い

 支払方法の割合についてみると、年齢が上がるにつれて「即時払」(注1)の割合が高くなり、80歳以上の高齢者では、「即時払」で9割近くとなっています。
高齢者や判断不十分者が現金決済した場合、預金口座から引き出されているものの、支払先や金額が明らかにできないという相談も多く、解決が難しくなる場合も見られます。
 また、冠婚葬祭互助会の相談などの「前払式」(注2)では、事業者の倒産リスクに加え、預金と違い利息が付かない、サービスを受けずに解約する場合には、ときに多額の解約手数料を取られるなどのデメリットがあります。

高齢者の支払方法の割合

 80歳以上 即時払88.8% 前払式4% 販売信用(クレジット)7.1% 70歳代 即時払82.6% 前払式5% 販売信用12.3% 60歳代 即時払73.2% 前払式7.1% 販売信用19.8 全体 即時払70% 前払式8% 販売信用22%

 

注1:「即時払」商品等の受け取りと同時に一括払い。(例)通常の現金での買い物など
注2:「前払式」商品等の受け取り前に全額か一部を支払う方式。(例)冠婚葬祭互助会、友の会、回数券での前払など
注3:「販売信用(クレジット)」には「自社割賦」「包括信用」「個別信用」「2か月内払い」「他の販売信用」「ローン提携販売」を含みます。(例)携帯電話の端末代金分割払い、旅行代金のクレジット払い、布団や和服の分割払いなど

詳しくはPDFでご覧ください

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