相談データ・分析

令和7年度 消費生活相談の傾向

2026年07月16日

巧妙化するネット通販のトラブルに注意

 令和7年度の消費生活相談の特徴として、通信販売におけるトラブルの増加が見られます。特に、50歳以上では定期購入に関する相談が大きく増えました。
 また、高齢者のリフォーム工事に関する相談では、高額な契約のトラブルが多くなっています。

<令和7年度の相談概況>

  • センターに寄せられた消費生活相談受付件数は17,167件
  • 契約金額は141.9億円
  • 60 歳以上の相談件数は7,025件(全体の40.9%)で、前年度より4.7%増加

令和5年度15,004件 122.7億円、令和6年度16,638件 125.5億円、令和7年度17,167件 141.9億円 

 

 1 「悪質な定期購入商法」に関する相談の増加と後払い決済の利用拡大(事例1参照)

 通信販売では、「お試し」「初回〇%OFF」の広告を見て注文したところ定期購入だった、などの相談が急増しています。特に50歳代以上の各年代で増加しており、シミ・しわ改善クリームやファンデーションなど、化粧品の購入トラブルが63%と非常に多くなっています。 

【図1】「定期購入」の相談件数と契約者年代

全体の件数は、令和6年度1,097件 令和7年度1,489件で、50歳代以上は令和6年度877件 令和7年度1,275件と急増している

 

【図2】「定期購入」の商品・役務別割合

定期購入の中で、化粧品(63%)と健康食品(24%)が大半を占めている

 

【図3】「後払い決済」※1の利用数

令和6年度の754件から令和7年度は1,145件と増加している

※1 商品の発送後に送付される請求書を用いて、コンビニや銀行等から後払い決済サービス事業者に対して代金を支払うものをいう

 

後払い決済サービスの問題点

 後払い決済は、商品を受け取ってから支払うことができ、またクレジットカード番号を伝えずに決済できるため、利用者が増えています。
 一方で、「詐欺的な定期購入商法」の決済手段として利用されたり、購入した覚えのない商品代金を後払い決済サービス事業者から請求されるなどのトラブルも発生しています。

  

2 通信販売に係る相談の増加(商品未着・商品違いや返金詐欺等)(事例2参照)

 「商品を注文後、代金を支払ったが、届かない」、「購入後に、在庫がないと言われた」、「国産と記載された商品を注文したが、外国産が届いた」など、希望した商品が届かないという相談が急増しています。
 また、「〇〇pay で返金します」と言われ、逆に送金させようとする等の詐欺的な事例が増加しました。 

【図4】詐欺的な通販サイト(「商品未着」「品不足」「注文品違い」に関係する)の相談

令和5年度381件、令和6年度585件、令和7年度782件と毎年増えている

 

【図5】「〇〇pay で返金します」と言われた詐欺的なトラブルに関する相談件数

令和5年度22件、令和6年度68件、令和7年度131件と毎年増えている

 

3 リフォーム工事に係る相談(75歳以上に多い次々販売での深刻な被害の発生等)(事例3参照)

 リフォーム工事などの「工事・建築」の契約金額が30.4億円(相談件数723件)となり、契約金額、平均契約金額ともに2年連続増加しています。特に契約者が75歳以上では、一度契約した消費者に対し次々と訪問・勧誘し、繰り返し契約させる「次々販売」のターゲットになりやすく、契約金額も高額になりがちです。地域や福祉関係者等による日頃の見守りが、被害の未然防止や早期発見につながります。

【図6】「工事・建築」の契約金額と平均契約金額
令和5年度23.3億円 388万円、令和6年度29.1億円 435万円、令和7年度30.4億円 499万円

 

この内、「次々販売」に関わるもの
  • 契約者の年代別内訳は75歳以上が6割超え。
  • 平均契約金額は746万円と1.5倍に。中には5,000万円を超えるケースも。

 60歳未満2%、60歳から74歳32%、75歳以上62%、不明4%

 


 

 事例1 化粧品の定期購入

 「シワが取れる」というSNS広告を見て、美容クリームの定期購入を申し込んだ。「初回2,400円(コンビニ後払い)、定期回数のお約束なし」と書いてある広告だった。届いたクリームを使用したが、広告で謳われた効果はなかった。初回で解約しようと事業者に架電すると、「定期コースを初回で解約する場合は、通常価格との差額9,000円の支払いが必要」と案内された。私が見た広告には差額の支払いに関する記載はなかったので、差額の負担なく解約したい。(60歳代 女性)

センターからのアドバイス

  • 魅力的な表現に惑わされず、「ウソがないか」、「大げさでないか」、「紛らわしくないか」という視点を持ち、広告を見極めることが大切です。
  • 最終確認画面の表示がなかったり、2回目以降の代金や返品・解約の条件等について消費者を誤認させるような表示をし、そのために誤認して申込みの意思表示をした場合には、これを取り消すことができます。申込画面や最終確認画面は、スクリーンショットで必ず保存しておきましょう。
  • 商品を受取拒否したり、解約手続きをせず返送しても後払い決済会社からの請求は止まりません。無視していると、債権回収会社や法律事務所から督促状が届くこともあります。

 

事例2 代金を受領後、「在庫がないから〇〇Payで返金する」と言って詐取する手口

 ネットでアンティーク品を検索して、気に入った商品を販売しているサイトを見つけた。代金はコード決済で支払うよう指示され、アプリから送金した。その後、「在庫切れのため、〇〇Payで返金する」とメールがあり、返金手続きのため、メッセージアプリの友達登録を求められた。「画面共有して、〇〇Payでの返金手続きを誘導する」とメッセージが届いたが、不審に感じたのでそれ以後やり取りはしていない。サイトはすでに無くなっており、事業者の電話番号や所在も不明だ。(30歳代 女性)

センターからのアドバイス

  • 商品代金を支払った後、「在庫がないから〇〇Payで返金する」と言われ、メッセージアプリの友達登録を誘導されたというご相談が増えています。相手の指示に従っても〇〇Payで返金される可能性はほとんどありません。
  • 画面共有をすると、自分のスマホの画面が相手に見られ、決済アプリの操作を指示されたり、インターネットバンキングの口座やログインID等の情報を知られてしまう危険性があります。
  • 通販サイトを利用する際は、販売業者の所在地や連絡先等、販売業者の情報を事前に しっかり確認しましょう。

 

悪質通販サイトを見分けるチェックポイント(国民生活センター) 

 

事例3 リフォーム工事の次々販売

 突然来訪した事業者に勧められ契約した外壁塗装工事をきっかけに、その後もサッシと畳の交換や浴室設備、天井、雨水管の補修を次々と勧められた。その都度依頼し、すでに30契約、総額7,000万円を超えている。ある日、残金の一部を支払うため銀行で投資信託を解約したところ、行員に止められた。その後警察官が来て、センターに相談するよう案内された。工事代金は高いと思ったが、工事は終わっているので支払うつもりだ。県外に家族がいるが、契約のことは話していない。(80歳代 男性)

センターからのアドバイス

  • リフォーム工事の次々販売では、点検商法が契機となることが多いです。見知らぬ事業者を家に上げることは防犯上もよくありません。「無料で点検する」などと言われても、安易に応じないようにしましょう。
  • 業者は巧みな口実や一見親切そうな様子で勧誘してくるため、契約者本人は被害の意識が乏しく、気づいたときには財産の多くを失っていたという例もあります。周囲の方の気づきや見守りがとても重要です。

 


 

消費生活相談概要(資料編)

令和7(2025)年度(令和7年4月1日~令和8年3月31日)

注意:各表における区分ごとの割合(%)は、小数点第2位で四捨五入しており、合計は100%にならない場合があります。

 

 (表1)相談受付件数 

区分令和7年度 令和6年度 増減(対前年度増減率)
苦情相談 16,442件(95.8%) 15,880件(95.4%) 562件(3.5%)
問合せ 725件(4.2%) 758件(4.6%) -33件(-4.4%)
17,167件(100.0%) 16,638件(100.0%) 529件(3.2%)
メール相談 2,409件 1,846件 563件(30.5%)
合計 19,576件 18,484件 1,092件(5.9%)

 

(表2)契約当事者年代別件数

区分令和7年度令和6年度増減増減率
17歳以下 146件 192件 -46件 -24.0%
18~29歳 1,926件 1,883件 43件 2.3%
30歳代 1,692件 1,617件 75件 4.6%
40歳代 1,877件 1,804件 73件 4.0%
50歳代 2,892件 2,691件 201件 7.5%
60歳代 2,695件 2,272件 423件 18.6%
70歳代 2,340件 2,322件 18件 0.8%
80歳以上 1,990件 2,116件 -126件 -6.0%
不明 1,609件 1,741件 -132件 -7.6%
合計 17,167件 16,638件 529件 3.2%

 

(表3)販売購入形態別件数 

区分令和7年度令和6年度増減増減率
通信販売 6,529件 5,758件 771件 13.4%
店舗購入 3,196件 3,075件 121件 3.9%
訪問販売 2,151件 2,574件 -423件 -16.4%
電話勧誘販売 818件 743件 75件 10.1%
訪問購入 115件 121件 -6件 -5.0%
その他無店舗 92件 92件 0件 0.0%
ネガティブオプション 46件 30件 16件 53.3%
マルチ・マルチまがい 50件 47件 3件 6.4%
不明 4,170件 4,198件 -28件 -0.7%
合計 17,167件 16,638件 529件 3.2%

 

 

(表4)相談の上位10品目  商品・役務別件数

順位商品・役務名令和7年度令和6年度増減(対前年度増減率)
1 商品一般 1,370件8.0%) 1,317件(7.9%) 53件(4.0%)
2 化粧品 1,091件(6.4%) 672件(4.0%) 419件(62.4%)
3 不動産貸借 1,033件(6.0%) 844件(5.1%) 189件(22.4%)
4 役務その他サービス 1,022件(6.0%) 919件(5.5%) 103件(11.2%)
5 工事・建築 723件(4.2%) 841件(5.1%) -118件(-14.0%)
6 健康食品 479件(2.8%) 571件(3.4%) -92件(-16.1%)
7 修理サービス 404件(2.4%) 452件(2.7%) -48件(-10.6%)
8 インターネット接続回線 374件(2.2%) 321件(1.9%) 53件(16.5%)
9 医療サービス 338件(2.0%) 332件(2.0%) 6件(1.8%)
10 携帯サービス 309件(1.8%) 280件(1.7%) 29件(10.4%)
その他 10,024件(58.4%) 10,089件(60.6%) -65件(-0.6%)
17,167件(100.0%) 16,638件(100.0%) 529件(3.2%)


(表5)年代別上位5品目  商品・役務別件数

順位12345
17歳以下 インターネットゲーム
50件
健康食品
9件
化粧品
8件
商品一般
5件
金融関連サービスその他
4件
18歳~29歳 不動産貸借
210件
エステサービス
122件
役務その他サービス
102件
商品一般
97件
医療サービス
93件
30歳代 不動産貸借
232件
役務その他サービス
80件
商品一般
75件
医療サービス
59件
工事・建築
55件
40歳代 不動産貸借
185件
商品一般
94件
役務その他サービス
85件
化粧品
70件
工事・建築
61件
50歳代 化粧品
239件
商品一般
215件
不動産貸借
150件
役務その他サービス
145件
工事・建築
87件
60歳代 化粧品
303件
商品一般
227件
役務その他サービス
142件
健康食品
116件
工事・建築
93件
70歳代 化粧品
290件
商品一般
215件
役務その他サービス
162件
工事・建築
119件
健康食品
111件
80歳以上 工事・建築
226件
役務その他サービス
192件
商品一般
180件
化粧品
100件
健康食品
83件

※他の娯楽等情報配信サービスも同率5位

 

【国民生活センターの商品・役務別分類】
商品一般…商品の特定ができない相談や、身に覚えのない架空請求等に関するもの

化粧品…基礎化粧品、化粧石鹸、歯みがき粉、マニキュア、脱毛剤等に関するもの
不動産貸借…賃貸住宅退去時の修繕費等に関するもの
工事・建築…屋根工事・増改築工事・衛生設備工事等に関するもの
役務その他サービス…サービス業のうち「金融・保健」「運輸・通信」「教育」「教養・娯楽」「保健・福祉」「外食・食事宅配」「冠婚葬祭」「家事」等のサービスに該当しない役務に関するもの

 

【お問合せ先】
経済局消費経済課長       山口
横浜市消費生活総合センター長  小川

 

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