相談データ・分析

平成28年度 消費生活相談の動向

2017年11月27日

 横浜市消費生活総合センターに寄せられた相談(平成28年度実績 23,357件)について、年代別、地域ごとの傾向や特徴などをまとめるなど、もう一歩踏み込んだ分析を行いました。

 さらに、今年度は消費者被害のターゲットとなりやすく、かつ今後の成人年齢の引下げによる影響が予想される「若者」(29歳以下)にスポットを当て、「若者の消費生活相談」を分析しました。未成年者や成人したばかりの20歳代の方はもちろん、保護者や見守る立場にいる全ての人が「若者」の消費行動の傾向を把握してもらい、被害の未然防止につながれば幸いです。

 

本資料の構成とポイント

第1章 相談全体について

 平成28年度は、横浜市民1,000人当たり約6.27人が消費生活相談をしているという結果でした。相談件数でみると40歳代が最多で、50歳以上は減少傾向にある一方で、消費生活相談の人口当たりの発生率でみると、50歳代が最高で、60歳以上も高い発生率となっています。【概要版 P.1 図1参照】

第2章 平成28年度分析テーマ「若者の消費生活相談」

 成人年齢の引下げも検討される中、今年度は、時代の変化を敏感に反映した「若者」の消費行動を未成年者、20歳代という区分に分けてより詳細に分析しました。
未成年者と20歳代では、商品・役務(サービス)、契約形態、販売方法・手口など、全てにおいて特徴に差がでました。

第3章 各区における消費生活相談について

 18区の相談件数に、区民1,000人当たりの相談人数の指標を加え、地域ごとの傾向を分析しました。区人口当たりの相談人数にはばらつきがみられました。【概要版 P.9 表7参照】

 

平成28年度分析テーマ「若者の消費生活相談」(一部抜粋)

  1. 相談件数でみると、平成28年度の未成年者からの相談は573件に対し、20歳代からの相談は2,095件(未成年者の約3.7倍)となっています。【概要版 P.5 図3参照】

  2. 未成年者の特徴
     商品・役務別でみると、第1位は、ワンクリック請求などの「アダルト情報サイト」(未成年者相談の32.1%)、第2位は「オンラインゲーム」(未成年者相談の7.3%)、第3位は、内容が不明確な有料サイトの利用料を架空請求するなどの「デジタルコンテンツ一般」(未成年者相談の5.8%)となっており、3つの相談で未成年者相談の45%を占めています。【概要版 P.6 表3参照】

     販売方法・手口などでみると、「ワンクリック請求」「SNS」「電子広告」など、インターネットに関連するものが多くなっています。(表 1)【概要版 P.8 表5参照】

  3. 20歳代の特徴
     
    商品・役務別でみると、未成年者と比べワンクリック請求や架空請求の相談割合が減り、「不動産貸借」「エステサービス」など実際の契約に関連する相談が多くなっています。【概要版 P.6 表4参照】

     販売形態別でみると、不動産貸借やエステサービス、携帯電話サービスの契約などでの「店舗購入」「マルチ・マルチまがい」の割合が高くなっています。【概要版 P.7 図4参照】

     販売方法・手口等でみると、契約の際に無理やりサラ金等から借金をさせたり、クレジット契約を組ませる「クレ・サラ強要商法」や「サイドビジネス商法」などが多くなっています。特に、「クレ・サラ強要商法」は、20歳代が相談全体の86%を占めており注意が必要です。

     また、販売目的を隠し電話等で呼び出し商品やサービスを契約させる「アポイントメントセールス」「マルチ・マルチまがい」「長時間勧誘」など問題の多い勧誘を受ける割合が、社会人経験の浅い20歳代で高くなっています。(表 2)、(図1)【概要版 P.8 表6参照】

     

【表1】未成年者の相談に多い販売方法・手口等

順位販売方法・手口等未成年者が占める割合
1 ワンクリック請求 11.3%
2 ポルノ・風俗 (注1) 10.8%
3 個人間売買 9.1%
4 SNS 6.0%
5 電子広告 5.4%

【表2】20歳代の相談に多い販売方法・手口等

順位販売方法・手口等20歳代が占める割合
1 クレ・サラ強要商法 (注2) 86.0%
2 アポイントメントセールス 58.2%
3 マルチ・マルチまがい 46.4%
4 長時間勧誘 41.7%
5 サイドビジネス商法 (注3) 40.9%

【図1】マルチ取引年代別相談割合

年代割合
未成年者 5.3%
20歳代 46.4%
30歳代 11.6%
40歳代 8.2%
50歳代 7.2%
60歳代 5.8%
70歳代 10.6%
80歳以上 1.4%
年齢不明 3.4%
注1:ポルノ・風俗は「アダルト情報サイト」利用の際に多く付与されるキーワードです。
注2:クレ・サラ強要商法は、売買契約の際に、無理やりサラ金等から借金させたりクレジット契約を組ませたりする商法。
注3:サイドビジネス商法は、「内職・副業(サイドビジネス)になる」「脱サラできる」などをセールストークに何らかの契約をさせる商法。

【お問い合わせ先】
経済局消費経済課長 山口 敏子
横浜市消費生活総合センター所長 金子 延康

 

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